最近,公衆無線LANが増えてきましたよね.docomo, au, softbankなどのケータイキャリアをはじめとした公衆無線LAN(Wi-Fi)のスポットが駅構内やカフェに沢山用意されていて,ユーザの快適なインターネットライフのために,良い取り組みが行われているように思えます.しかし,残念ながら実際はそこまで便利とは言い難いのが現状です.

そもそもなぜ公衆無線LANなの?

ケータイの通信速度があまり速くなかった時代に,主にビジネスマンが出先でパソコンなどでメールをチェックしたりするために普及したものです.固定網が移動網にどんどんユーザを取られていく中で,固定網に紐付くユーザを少しでも増やそうとしていました.なので主な事業者はNTTとかKDDIでした.一部のビジネスマンには使われましたが,イマイチ普及しなかったといえます.

次に,移動網の問題で公衆無線LANが注目されるようになりました.移動網が普及していくことに伴い,ユーザ数と通信料が増え続けた移動網に問題が発生したためです.回線が混雑して通信速度が出ない,繋がらないといった事態が頻発したのです.そこで,ソフトバンクは,移動網の負荷をなんとかするために,移動網を整備する替わりに,それよりも安価で高速にできる公衆無線LANを一気にばらまいていきました.これによって公衆無線LANは,移動網の負荷を軽減することを目的に,駅やカフェを中心にどんどん普及していきました.

しかし最近,この取り組みが,悪影響になっている状況が散見されています.

駅のスポットは利用状況に合ってない
個人的には最悪のスポットです.移動中に駅に止まると勝手に無線LANに切り替わるのですが,通勤時間帯の場合,電車到着時にアクセスが集中するので,セッション確立ができずに通信が詰まる現象が良く発生します.なので,Wi-Fiは掴んでいるのに通信ができなくなります.またWi-Fiは移動に弱いので,せっかく繋がっても移動を始めると途端に通信ができなくなり,結局3GかLTEでつなぎ直すまで待つことになります.これでは全く時間の無駄です.キャリアにつなぎっぱなしの方がましですね.とはいえ,ケータイのWi-Fi設定をOFFにしていると,今度はWi-Fiが使える自宅などでWi-Fi設定をONにし忘れるとかいう事案が発生し,無駄に通信量が増えてしまったりします.7GBの上限設定があるLTEのプランでは結構な痛手になります.

カフェのスポットは通信品質の管理が雑
カフェのスポットは移動しないので,駅の公衆無線LANに比べると一見良いように思えます.しかし,これにも問題があります.まず,カフェの裏のネットワークの帯域に影響を受けます.酷いところだと移動網よりもWi-Fiの方が遅い,なんてことも結構あります.ソフトバンクのスポットなどについてはネットでも話題になっていたりしますね.

また,Wi-Fiは電波干渉の制御があまり得意ではありません.よって,都心部では色々なところでタケノコのように電波を吹いているので,電波干渉によって速度が出ない,繋がらないといった現象が多発しています.加えて,たとえWi-Fiに繋がなくても,Wi-FiをONにしているだけで,アクセスポイントを見つけるたびに無駄に電池を消耗してしまいます.

まとめ

Wi-Fiは正しく運用すれば,ユーザにとって大きな利便性をもたらす技術だと思います.しかし,今の公衆無線LANのやり方は,どうも通信事業者が自己都合で負荷分散のための都合が大きいようにみえてなりません.通信の負荷分散の重要性は分かるのですが,もう少しユーザ目線でデザインを進めてもらいたいものですね.