最近ドコモが歩きスマホを防止するアラート機能を提供するようにしたとのことです.

ドコモ、「歩きスマホ防止」アラート機能を提供
k-tai.impress.co.jp/docs/news/20131203_626109.html

ケータイwatchによれば,NTTドコモは、“歩きスマホ”による事故防止とマナー向上を啓蒙する取り組みとして,「歩きスマホ防止機能」を追加した最新版を12月5日に提供する,とのことです.なぜこういった本末転倒な機能を付けるのでしょうね.誰だって歩きながらスマホを操作することが,何もせずに歩いている状態よりも危険なことは理解できるでしょう.しかし,それでも歩きスマホをするのには理由があるのです.

例えば,迷いそうだから地図を見ながら歩く,友達との待ち合わせに遅れそうだから歩きながらメッセージを送るなど,歩きスマホをする理由(コンテキスト)を挙げればいくらでもあります.歩きスマホが便利だからそうするのであって,危険になりたいからやるわけではありません.言い換えれば,より安全で簡単な方法が他にあれば,誰もそのようなことはやらないのです.

つまり,歩きスマホを禁止するモードを導入する=便利だからやっていたことを禁止する,ということに繋がります.何一つデザインしていない安直な対応と捉えられても仕方がありません.怠慢ともいえるでしょう.頭を使うべきポイントは,歩きスマホをしている理由を細かく分析し,歩きスマホしなくても,それらをできるような新しいデザインを考えることでしょう.

トップダウンでなんとかしろと言われて,その場しのぎで出した施策なのかもしれませんが,中途半端なデザインは,逆に評価を下げてしまう可能性が高いことを,強く認識した方が良いでしょう.自分がデザインする際にも,ぜひ気をつけたいものです.