昔から国立の専門学校に進学したり,大学の学部時代には国から予算をもらって研究をするとか,できるだけ刺激が多い環境に身をおいて生きることを心がけてきました.そんな自分が社会人になってから,仕事や自分の成長に対する環境の影響は大きいなぁと,より実感するようになりました.

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能力に良くも悪くも影響する3つの外部要因

人間は自分だけで自分の能力を100%引き出すことはとても難しいです.なので,外部要因を借りて,少しでも自分の能力を発揮しやすくすることが大事です.使える主な外部要因は3つです.例えば同僚や上司などの「ヒト」に関するものや,使っているツールなどの「モノ」の力,さらに職場の雰囲気や定められているルールなどの「環境」に関するものがあります.これら3つが上手く組み合わさることで自分の能力をより活かしやすくなります.

しかし一方で,外部要因は悪影響になる場合もあることに注意が必要です.例えば,上司の指示の出し方が悪い,使っているツールやソフトが古い,組織のしきたりが時代遅れ,煩雑なルールが多すぎるなどの要因があると,人の能力は簡単に低下していきます.

外部要因に依存するようになる場合も

また,良い外部要因に浸かりすぎてしまうと,外部要因に依存してしまうことがあります.恵まれた部書に配属された,基礎能力が高めの若手は特に陥りがちです.自分が外部要因に支えられていることを認識できずに,結果が自分の力だけによるものだと盲信してしまうのです.すると,力を発揮するどころか,怠慢を呼んでしまい,せっかくの成長機会を逃してしまいます.また,別の部書やプロジェクトに異動した際に,大きなスランプに陥る可能性も高まります.ですので,常に自分がどんな恩恵を外部から受けているかを,ヒト,モノ,環境の3点から見つめ直し,自分の力だといえる部分と,そうでない部分とを明確化しておきましょう.それによって,知らないうちに依存している,という状況を防げます.

自分とチームのために外部要因をデザインする

自分の能力やチームの能力を高めるために,外部要因をデザインすることが大事です.そのために,他人と議論する時間や機会を意識的に設けることはとても有効なことだと考えています.しかし,組織にはろくな議論もせずにルールやツールを作ったり,指示をだしたりする人がいることは残念に思います.デザインされていない外部要因は,無駄(ゼロ)になるだけでなく,それ以上に,人や組織に対してマイナスの影響を与える可能性があることを認識してもらいたいものです.

しかし,そういったマイナスをデザインに資する問題ではなく,個人のモチベーションの問題だと考えるリーダが多く,立ちゆかなないチームが多いと感じています.しかし,外部要因を整備することは,ひとりのモチベーションだけでは決してなしえません.極端にいえば,組織の意識改革ができない限り,上手いデザインが成されることはないといえます.

デザインに対する意識を高めるためには,まず知ってもらうこと

意識改革を進めるには,まず知ってもらうことが大事です.環境が非常に大きな影響を与えることを認識してもらいあしょう.さらに,自分やチームが被っているマイナス面を,論理的に伝えていく必要があります.もちろん定量的な数値にすることは難しいですが,まずは意識してもらうことが目的です.伝えた結果,即効性のある解決策が講じられなかったとしても,継続的に声をあげ続けることが大事です.

おわりに

外部要因は上手くデザインできれば,自分にとっても組織にとってもプラスになり,大きなシナジーを得られる可能性が高まります.仕事の本懐ではありませんが,継続的に良くしていくための議論やデザインは怠らないようにしたいものです.

それでは.