たまに実家に戻ると普段とは違う生活ができるので,色んなことに気がつくきっかけが得られます.とくに今回は地元のスターバックスを訪れたときのことが面白かったのでご紹介します.

私は日頃から暇なときはスターバックスにいって勉強や読書をするので,スターバックスが地元にもできたのはとても嬉しいものでした.実家にいても意外とやることがないので,スターバックスにいって勉強や読書ができるのはありがたいのです.

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店内に入らずにコーヒーが買えるスターバックス

しかし,スターバックスは行き慣れたはずの場所なのに,地元のスターバックスには凄い違和感を感じました.まず始めに,スターバックスなのにドライブスルーがあるのです.滞在中の体験を楽しんでもらうことを主要な価値としているスターバックスなのに,店内よりドライブスルーが大繁盛していました.多少使われている,ぐらいなら理解できるのですが,お客の半分以上がドライブスルーを利用しているのです.スターバックスのデザインコンセプトから考えると,とても不思議なことです.

ただし,地元において,人は車で移動することがほとんどなので,地方の喫茶店でゆっくり雑談するということは稀です.そのため,ドライブスルーが重宝されるので,それに合わせてスターバックスもドライブスルーを用意したのでしょう.

店内に入っても居座る人はほとんどいない

基本的に地元は地価が安いので,比較的広い面積を取るお店が多かったのですが,最近は大きかった店舗をわざわざ小さく作り直す傾向があります.店内でお客さんの動きを観察していると,かなりの来客があり,常に人が並んでいることがわかります.しかし,席は常に空席があるのです.

最初はスターバックスなのに回転率が良いのかなと思っていました.しかし,回転率もなにも,店内で買っているお客さんもほとんどがテイクアウトなのです.つまり,ドライブスルーが混んでいるので店内に入ってきてテイクアウトしているのです.お客さんのニーズの大きさとしては,ドライブスルー>テイクアウト>店内利用となっているのです.

興味深いのでさらに観察してみると,店内のスタッフスペースが普通の店舗よりも広いことがわかりました.つまり,店内に居座る人が少ないことを理解した上で,店舗スペースの配分を客席よりもスタッフ用の作業スペースに割り当てていることがわかりました.建てる前からどういった客層が多くて,どういった利用形態が見込まれるのかを熟知したつくりになっていたのでした.スターバックスが提供している主要な価値を少し変えてでも,ローカリゼーションしてお店をカスタマイズしているその姿勢はかなり興味深いものがありました,チェーン店といえば「どこでも同じ質」というのが基本ですが,それ以上の工夫がかなり施されているようです.

国内であってもグローカリゼーションが求められている

同じチェーン店であっても,地域で全然客層が違うのを観察するのは面白いです.さらに,海外にいったりすると違いを色々と知ることができます.この経験を通じて,昔アメリカのスターバックスに入ったときに,Shortというサイズが無いことに驚いたりしたことを思い出したりしました.他にも色々と違いがあるのですが,それでもスターバックスだと分かる範囲に変更が収まっているのが,また興味深いです.

しっかりと自分達の主要な価値やブランドを理解した上で,その価値の範囲内でカスタマイズしていく,そういった営みが広く受け容れられるためには重要なのだということが,今回の気付きを通じて改めて実感できました.