最近,他の人の仕事を見ていて,タスクをこなせるってのと,仕事ができるってのは別物なんだなということをよく感じます.

恐らく,多くの人はタスクをこなすこと自体に苦労している人,というのは少ないだろうと思っています.実態として,タスクをこなすことにも苦労しているように見える人は多いと思うのですけど,恐らくそれは,別の要因が効いています.

その要因の一つとして,人間関係があります.人間関係がきちんと構築されていないと,タスクを与えるにしても,与えられるにしても伝達時にズレが生じやすく,そのズレが仕事の効率を落とします.伝達のズレはある一定以上に大きくなると,もはや自力で修復するのは大変困難で,どんどんひどくなります.その結果,ズレによって本来タスクを完了できる時間の倍以上の時間をかけることすらあり得ます.

打ち合わせや報告にばかり時間をかけていて,タスクが進まないチームがあったとすれば,それは,メンバーの能力よりも組織の体制やチーム内の人間関係の問題を疑った方がいいでしょう.

タスクをこなせる,ではなくて,仕事ができる,というのは,この人間関係のコントロールが上手いです.人間関係の構築が上手い人は,ある仕タスクを任せたり任されたりが上手くいくので,自身の能力を効率よく運用できるわけです.また,うまい人間関係を構築できていれば,また何か面白い案件があった時に,それなら彼がいる,と声がかかったりします.もう少し身近な例でいえば,他部署の飲み会に誘われる,といったことも考えられます.飲み会は,ホンネトークが聞きやすいので,他部署のことを素早く理解できたり,思いがけないネットワークが構築できる機会にもなります.

このように,タスクをこなせるのと,仕事ができるというのは別ものです.会社にいる限りは仕事は一人で完了しません.この違いを認識していないと,自分の能力を効率良く運用できなくて苦労します.

ちなみに,こういった人間関係のマネージメントもまた中間管理職の仕事なのですが,飲みとかに連れていって,酔わせて本音を喋らせればいいと思ってる人も多いので困ります.飲ミニケーションは,あくまで限定的な手段でしかなく,目的ではない,ということを強く理解しておかねばなりません.こういった中間管理職に振り回されないためにも,ボスをマネジメントする仕事力を身につけることも大事です.容易なことではありませんが,仕事の邪魔をされるよりはマシだと思いますよ.

参考:ボス・マネジメント