仕事でナミビアを訪れる機会がありました。一週間ほど滞在したのですが、大変興味深く、複雑な課題を持つ土地だったので、すこし滞在記をご紹介いたします。

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ナミビアは、アフリカ大陸の南の方にある国で、南アフリカの北側に位置する国です。訪問時の気候としては初夏で、非常にドライでした。ナミブ砂漠が近いこともあり、昼と夜の寒暖差は大きいです。

私は、ナミビアの首都であるウィントフークに滞在していました。中心地は高層ビルなどもならぶ、とても整備された街と言えます。実は、まだ独立して間も無く、ドイツ統治時代の名残などもいまだに見られます。

仕事が主目的でしたが、せっかくなのでシャトルサービスの運転手に依頼し、ウィントフークをドライブツアーしてもらいました。2時間もあれば、都市部とダウンシティを見ることができます。

都市部は先述のとおり、非常に整備された街です。ただ、交通量がそこまででもないのか信号が少ないです。施設としては、博物館やショッピングモール、病院、墓地、政府施設などが立ち並んでいます。日本で言えば大きめの地方都市といった感じです。

興味深いことに、都市部には病院や墓地などの公共施設が、近いところに2箇所あります。これは、もともとは白人と黒人を区別するための措置だったそうです。独立後のいまでは両方自由に使えるようになったそうですが、そういったことが少し前まで平然と行われてきた名残を見ることができます。

また、都市部から車で五分ほど走ると、ダウンシティにいくことができます。ここは都市部とは異なり、銀のトタンのようなものでできた家が、舗装も無い乾いた丘の上に立ち並んでいる様子が見られます。トタンの家には電気も水道もないので、いまだに近くの水汲みばから手作業で水を運ぶそうです。さらに、照明は高速道路にあるようなライトがぽつぽつと配置されており、夜はそれらが地面を無機質に照らします。感覚的には、たった交差点を数本渡っただけで、このような差が見えてきます。家賃で言えば10倍以上の差になるとのことです。

独立して急速に成長中であるとはいえ、現実このような課題が残っていることを知り、発展途上国の成長の複雑さを感じました。とはいえ、住民の皆さんの顔が明るいのが救いでした。車で走っていると、笑顔で手を振ってくれたりします。日本の人たちより明るく、エネルギッシュでした。

なお、仕事で一緒になった地元民と話したところ、こういった格差や発展の問題は、寄付などでは根本的に解決できないとのことでした。いかに自分たちで持続可能な組織を作り、継続的に活動するか、その仕組みづくりが何よりも必要とのことです。そのための支援が必要だといっており、何かあればとりあえず寄付というのも考え物なのだなぁと、考えを改めさせられました。

ちなまに、持続可能性という言葉は、高齢化社会などを迎える日本などでも着目されている言葉なのですが、文脈が違えどナミビアでも着目されていることはとても面白かったです。共通点を探してお互いに学びあえば、より実りが多くなるのでは無いかと思います。