学生でも社会人でも、色んな場面でプレゼンテーションをする機会があると思うのだけど、皆さんは自分がプレゼンテーションをするときの「持ち時間」をしっかりと意識してプレゼンテーションを作っているだろうか。持ち時間によって、どのような内容をどのような順番で話すかは大きく異なるので、注意したい。

〜1分

よくエレベータピッチと呼ばれる。重役やベンチャーキャピタルのキーマンなどに偶然エレベータの中で会った際に、彼らに自分の持っている企画に興味を持たせるために行うプレゼンである。エレベータピッチにおいては、いかに企画の結論をキャッチーに伝えるかと、その後どこに連絡すれば情報を得られるのかを伝えることがキモである。もし時間が余れば、結論に至った理由の数を挙げて、時間がつきるまで具体的にその理由を述べると良い。重要なのは、いつ話を打ち切られても良いようにプレゼンを構成することである。

1〜5分

エレベータピッチよりも少し長く話を聞いてもらえる場合は、結果を最初に述べて、その結論に至った理由を挙げて、順番に説明していく。時間が決まっていれば、その時間内に、結論に至った理由も全て端的に説明できることが望ましい。興味を持ってもらえて、引き続き話を聞いてもらえる際に備えて、企画の背景資料や関連分野の動向などの資料を、補足資料として用意しておくことが望ましい。

5分〜30分

一般的に言われるプレゼンテーションはこの時間に属する。まとまった時間がもらえるプレゼンテーションでは、キャッチーさも大事だが、ストーリ展開やロジカルな流れが求められる。なので、最初に背景を述べて、関連分野や自分(自社)の状況などについて述べてから、具体的な企画の提案に入ることが一般的である。企画の提案では、結論を述べた上で、その結論に至った理由を説明することは、1〜5分のプレゼンと同様だが、単純に妥当な理由を並べるだけでなく、それぞれの理由を説明する際に、一つのストーリーとしてロジカルに繋がるように構成すると納得感を増すことができる。

30分以上

30分以上になると、プレゼンテーションというよりは講演や講義に近い。オーディエンスが30分以上一つの話題に集中することは難しいので、少し本題からはズレた話題を入れ込み、リテンションする工夫が必要になってくる。最初に自己紹介を挟んだり、途中でものすごく極端な例を紹介したり、一見無関係に見える遠い関連分野を紹介する、などが例えば考えられる。

ユーザセンタードにプレゼンテーションをデザインする

プレゼンテーションとは、オーディエンスにとって有益な情報をプレゼントする行為である。ゆえに、常にプレゼントを渡す相手は誰かを見極め、どのような情報をどのような形でプレゼントされたら喜んでもらえるかを念頭において、プレゼンテーションをデザインすることが極めて重要といえる。その際に「持ち時間」をきっちり把握し、各時間の特性を理解しておくとかなりプレゼンのデザインがしやすくなるので、ぜひ覚えておいて欲しい。