マイクロソフトシンガポールの人達が,IEの擬人化をしたようです.キャラクタの名前は藍澤 祈(Inori Aizawa)さんで,とても愛らしいキャラクタとなっています.また,制作者が愛を注いで作ったというだけあって,とても見応えのあるアニメーション作品となっています.2分ぐらいの短いムービーなのでさくっと見られてオススメです.

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戦闘中のいのりさん(公式youtubeより引用)

IE(いのりさん)は攻撃を受けてダメージを負う…えっ!?

この作品は,確かにアニメーション作品としては素晴らしいでき映えです.しかし,IEのアピール作品としてはちょっと失敗しているといえます.なぜならば,この動画を見ているとIE(いのりさん)に対して一抹の不安を覚えてしまうからです.

上の画像を見ていただくと分かるのですが,戦闘中にいのりさんは負傷してしまうのです.これはつまり,ウィルスの攻撃を受けて,IEがダメージを受けたということに他なりません.ユーザとしては,ウェブブラウザがウィルスと戦っているなら,危なげなく攻撃を全て防御した上で,圧倒的な火力でウィルスを殲滅してもらわないと不安です.たとえるならば,HELLSINGに登場する吸血鬼,アーカードさんのような圧倒的な強さが必要だといえます.

確かに,アニメーション作品として面白い展開を作る場合,主人公がちょっと苦戦したあとに変身(もしくはパワーアップ)して逆転し,最終的に相手を打ち負かすという流れは王道です.しかし,今回のような特殊な状況,つまりウィルスに対して絶対に負けてはいけないというIE(いのりさん)の立場を考えると,この展開はあまり良いデザインになっているとは言い難いのです.

背景を捉えたデザインを忘れずに

何かをデザインするときは,見た目の面白さやかわいさといったビジュアルデザインが大事なのは言うまでもありませんが,それに加えて,その背景にある大元の目的や意図もきちんと汲み取った上でデザインしていくことが大事です.今回で言えば,IEに対して親近感を持ってもらうことと,IEの性能に対して正しく理解してもらうこととが大事なはずですが,後者の要素が不足していると言えます.

萌える(燃える)アニメとしてはなかなか高得点なだけに,今後のマイクロソフトシンガポールには期待したいところです.なお,いのりさんの詳しい解説はGigazineさんで記事になっていますので,お時間がある方は合わせてご覧いただくと,いのりさんへの理解を深められると思います.

InternetExplorerを擬人化した美少女キャラ「藍澤 祈」が魔法少女風に変身してバトルするアニメがIE公式アカウントで公開中 – GIGAZINE