世の中色々なサービスのユーザインタフェースがあふれているけど,誰にとっても良いデザインというのは,デザインすることはできないのです.今回は,ニコニコ動画の事件をベースに,誰のためのデザインなのかを絞って考えることの重要性について考えてみます.
誰のためのデザインなのかを見定めること
以前,ドワンゴ社員と思われる人が,せっかく最高のUIにしたのに,みんな使いにくいって言うから不満,というつぶやきが取りあげられて炎上していましたね.なんでこういった,デザイナとユーザとの意識の違いが起きてしまうのでしょうか?それは,ニコニコ動画のユーザ層の裾野が広がっているなかで,一番多い利用者層にマッチするようにUIをデザインできなかったことが一要因と言えます.
ニコニコ動画GINZAはターゲットユーザを見誤った
ある観点から見れば,ニコニコ動画GINZAが魅力的だと思う人もいたのではないかと思いますが,おそらくそういった人達は,ネット上では声を上げないようなそうなのでは無いかなと思います.今回の騒動を起こした中の人は,ターゲットにすべきユーザ層を見誤ってしまったのでは無いかと思います.また,自分達がデザインしたUIが誰にとっても良いUIにはなり得ないことを,認識していなかったのかも知れません.
学習したユーザの声は,時に的外れ
また,人には学習効果というものがあって,一度慣れてしまうと,それ以外のものを使うことに対して抵抗感を感じるようになります.例えば,新規ユーザが使いやすくなる良い改善であったとしても,玄人ユーザからは使いにくくなったと,批判が集中することがあると認識しておくことがあります.例えば,文字入力業界では,だいたい入力速度が50%以上高速化されるような入力手法で無い限り,新しい手法に乗り換えることは無いと言われていたりします.
不毛な議論を避けるために
ニコニコ動画の事例は,世の中で起きている悲劇のごく一部でしかありません.世の中には,デザインについて議論するときに,誰にとって,どのように良いデザインなのかを考えられない人が想像以上に多いのです.だからこそ,議論が不毛な平行線を辿ることを避けることができないのです.皆さんは不毛な議論に巻き込まれないように,誰のためのデザインなのかを考えることの重要性を,頭の片隅に留めておくことをオススメいたします.
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