妻に殺意を抱かせる夫の行為という記事を見かけました.確かに,ずっと一緒に夫婦生活をしていると,相手にイラっとすることもあるでしょう.普段気にならないことが,やたら気にかかってイライラしてしまったり,逆に,何気無いことがやたら嬉しく感じたりすることもあります.これは,相手の行動が変化していることもありますが,自分の要求が刻々と変化しているために起こることも多いです.

なので自分が相手に何かしてあげるときには,相手の要求が刻々と変化していることを加味してやらないと,痛い目をみることになります.ひどい時は,普段喜ばれてることをして逆にキレられることすらあります.逆に,普段やらなくてよいと言われていることを,何故やらないと問い詰められることもあるでしょう.顕在している情報だけを見ると,矛盾しているように思えるのですが,こういう時は普段と内部状態は変化しているのです.とくに,ホルモンバランスが崩れているとか,大きなストレスが掛かっているとかがあると内部状態の変化が顕著になります.

このような内部状態の変化を見極めるには,やはり普段から相手をよく観察しておくことが重要です.ただし,おかしいな?と思ったときには,言葉によるコミュニケーションをすることはオススメしません.そういった状態の相手に要求を深掘りしようとすると,その行為自体にキレられてしまうことは多いです.また,聞いても適切に内部状態を適切に言語化できる人は少ないです.

なので,相手をつぶさに観察し,潜在要求を見つけて,適切なソリューションを提供することが求められます.これはまさに人間中心設計の考え方ですね.家庭で気軽にトレーニングができると考えれば,悪くないのかもしれません(?).とはいえ,仕事でもないのにそんなことを普段からしたいかは,趣味によると思います.

自分から観察して相手の状態を見極められることはおおいに有益です.しかし,夫婦や恋人といった親密な関係なのであれば,言わなければ伝わらないし,たとえ伝えられたとしても何ともできないことすらある,ということを,お互いできちんと認識して,お互いに歩み寄ることが大事です.