元任天堂でWiiを作られた、現在はわかる事務所を経営している玉樹さんの話が面白かったのでシェアします。

玉樹さんは、Wiiを作りはじめる時に、鍋を食べよう先に、という話をチーム内でしたというのです。はてさて、ゲーム機を作るのに先に鍋を食べようとは、どういうことなのでしょうか?

実は、Wiiというのは、鍋を一家団欒で楽しむと同じようにゲームを楽しんでもらえたらいいのに、というコンセプトから始まったそうです。そのコンセプトが、チームメンバや上層部が共感されて、プロジェクトが前に動き出すことになりました。なので、共感してもらえた、鍋を囲んで一家団欒をするように遊べるゲームを愚直につくらないといけない。使い手の気持ちが、どうなったらそうなるのかを、何よりも先に考えてつくらなければならない、と考えたそうです。

ということで、Wiiを作る前に、まずは鍋で一家団欒をすることの何が良いのかをひたすら観察し、分析するところから開発が始まったそうです。その結果もあって、Wiiは世界中で大ヒットすることとなりました。もちろん、コンセプトの通り、子供だけでなく、お父さんお母さんも含めて家族で楽しめるゲーム機になっていました。ハード性能ではPSやxboxに遠く及ばなかったにも関わらず圧倒的に売れたのは、このユーザ中心のコンセプトメイキングがあったからこそでしょう。

もちろん、ビジネスも技術も考えなければならないのは間違いないですか、何よりも、ユーザに与える価値を何よりも先に考える。こういう考え方が、ユーザに響く何かを作るときには大事なんでしょうね。