サービスを企画、デザインする立場にいるなら、今はやりのクラウドファンディングサイトで流行っているサービスぐらい確認しておこうということで、kickstarterを眺めていました。このサイトでは、様々なユーザのニーズを満たす、種々なサービスアイデアが沢山見られて、本当によい刺激が受けられます。買う気がなくてもチェックするだけでも十分に楽しめます。

そんなkickstarterを見ていて一番に感じたのは、偉くおしゃれな世界だなぁ、ということです。下手な企業の広告よりも断然魅力的な作りになっています。特に、評価の高いプロジェクトの動画は格好いいです。出てくるファウンダー達は皆自信ありげでイケイケな雰囲気を醸し出しています。さらに、利用者も界隈の著名人などが登場したりと、とにかくおしゃれです。まだスタートアップだから、という荒削り感も微塵も見せません。出来てもないものをここまでおしゃれにドヤ顔でアピールできるのは、私にはなかなか理解し難いものがあります。

そんな動画をいくつも見ていくと、動画は実は皆似たようなフォーマットで作られていることに気がつきました。何かお手本でもあるかのようです。コンセプトの紹介から始まり、ファウンダーによる詳細説明、エンジニアの解説、プロトタイプ利用者の声。最後に再びファウンダーが出てきて、もういつでも製品化できるけど、資金がないので、我々のプロジェクトにジョインしてね!と笑顔で訴えかけます。

つまり、kickstarterにおけるおしゃれには、ある一定の戦略があるといえます。泥臭く愚直にやっていれば、いつかは誰かが目を向けてくれるというような、シンデレラストーリーが王道では無いのです。数多のプロジェクトが提案される中で、注目され、共感され、そして資金を調達するには、戦略的にかつ狡猾に自分達の活動のクールさをアピールをしていく必要性があるのですね。だからこそ、先人の成功者に従い、できるだけ共感されるおしゃれを目指しているのでしょう。

私は、kickstarterで起きていることは、未来の当たり前を先取りしたものだと考えます。これからの先、個が活躍する時代と言われていますが、個が活躍するには企業並みのプレゼンスを個人で示す方法を身につけることが必要そうです。もしくは、強烈なプレゼンスを発揮するリーダーと出会えるような人脈作りと、共に歩めるようなスペシャリストとしての実力を身につけるか、といったところでしょうか。

今後、日向と日陰のコントラストがさらに強くなりそうです。