最近、UIはかなりの勢いでコモディティ化している。特に、ウェブにおけるGUIはもはや無料といえるレベルにある。なぜならば、才気あふれるエンジニアたちが、良いGUIやライブラリの公開合戦をしているからだ。しかもほとんど無料で。

Rails3、Twitter Bootstrap、Bootswatch を使ったレスポンシブなエロサイト「babyshark」をリリースしました – 彼女からは、おいちゃんと呼ばれています

充実の無料ライブラリ

最近、エロサイトをクールにかつスタイリッシュにデザインすることが流行っており、はてぶのホッテントリを賑わせている。そういったサイトのフロントエンドにはjQuery UI、Twitter BootstrapなどのGUIに関連するライブラリがよく使われている。とても高品質なライブラリにも関わらず、これらのライブラリは無料で利用できる。これらのライブラリを使えば、最先端のレスポンシブデザインを容易に実現可能であり、さらに良質なGUIコンポネントやトランジションも盛りだくさんである。

最近では、それらのクールなライブラリに触発されて、雄志によって拡張ライブラリが開発されたり、Googleのようなマンモス企業がいきなり「俺らも作ったよ:D」などといって、これもまた無料で公開している。さながら、ウェブ系オープンソース業界はまるで現代のルネサンス期といえる状態である。くわえて、少しお金を出せば、クラウドソーシングで簡単なユーザビリティテストさえもできてしまう(別サイト参照)。

インタフェースからインタラクションデザインへ

これだけGUI関係のライブラリやサービスが豊富に揃った現代において、多くのエンジニアは、もはや単純にGUIを組めるだけでは飯が食えない。もちろん、Windows 8に採用されたMetro UIのように、新しいGUIを考えられる(かつ特許もとれる)ような天才レベルのエンジニアであれば話は別ではあるが、多くのエンジニアはそうではないだろう。

今後は、GUIのデザインではなく、ユーザとサービスとのインタラクションを適切にデザインできることを求められるようになるだろう。さらにいえば、優れたユーザエクスペリエンスを提供できるように、サービス,インタラクション,インタフェースデザインの全てを考慮できるようなエンジニアでなければ、お金を稼ぐことは難しくなっていく。

ライブラリだけでなく人も見よう

UXをデザインするには、ヒトを中心に、人間中心にサービスを設計をできるようになることが求められる。素晴らしいライブラリが多々公開されている今だからこそ、流行のライブラリに魅せられるだけでなく、人をよく見つめなければならないというのは、なんとも興味深い話である。

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