ウェークアッププラスで辛坊氏が司会を務める政治に関する番組を見ていた.若手の官僚出身の国会議員を集めて,色々な質問をぶつけていくという内容だったのだが,とにかく面白くなく,かつ不快な番組であった.なぜそう感じるのだろうか.
その要因の一つは,番組が視聴者のために作られていないからだ.具体的には,ふがいない議員を演出したかったのだろう.そのために,基本的に国民の敵として取り上げられやすい官僚出身で,かつ上手く政治論が語れない新人議員を連れてきていたと見える.
例えば,質問をするときに,辛坊氏は「党の意向ではなく,本音で話を聞きたい」と切り出していた.その際に,自民党5人の議員がそれぞれの私見を述べると「党の中でもこれだけ意見が割れているんですねぇ(笑)」というのである.逆に,まとまった意見を返せば不機嫌そうに「本音が聞きたい(苦笑)」と返す.これでは何を答えたとしても,視聴者にはふがいない議員としての印象が残る.
さらに,新人議員達がそれぞれの目標を語り,頑張りたいと宣言したところで,すかさず辛坊氏が「新人の議員さん達には発言権がどの程度あるもわかりませんよね.組織だから仕方ないんでしょうけど(笑)」と言い,司会サイドが大笑いした.私見として,彼ら個人の目標自体はそんなに悪いものではない印象を受けた.しかし,最後で組織批判に繋げたことでに彼らの発言はぼやけてしまった.
このような演出が随所に見えるために,議員自体の答えに意味がなくなり,視聴者には伝わらない.つまり,視聴者のためでも政治家のためでもない,誰のためか分からない番組になっているのである.そんな番組が面白いはずがない.
ここで,池上無双でインターネット民を沸かせた池上氏の言葉を以下に引用したい.
「12月16日の衆議院選挙投票日。テレビ東京の開票特番「池上彰の総選挙ライブ」を担当しました。放送中から思わぬ反響をいただき、テレビ東京にはいまも再放送やDVDの発売を求める声が寄せられているそうです。テレビ東京の人たちはもちろんのこと、外部スタッフが総力を挙げて制作・放送したものですから、当然の評価とはいえ、その一翼を担った私も嬉しく思います。いつも「いい質問ですね」が口癖の私としては、視聴者に「いい質問ですね」と言ってもらえる内容を目指したからです。」(一部改行などを調整)
以上.
何を目指して質問しているのか,番組を運行しているかを,はっきりと定めることで,その意図は視聴者に伝わり,結果として番組が面白くなるのである.視聴者のためになることを第一の目的にしていない番組は滅ぶべきである.
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