ユーザに良いシステムを提供するためには、システムをデザインしたり、システムをリリースしてからマネジメントしたりすることが必要になる。さて、もともとシステム、デザイン、マネジメント、というのはシステムデザインの業界ではどのように定義されているのだろうか。備忘録的に少しまとめておく。

まずはじめに、システムとは基本的には複数の構成要素から成り立つ集合体のことを指す。複数の要素が相互作用するものなら全てシステムだとする広義と、定義された目的を成し遂げるための相互に作用する要素を組み合わせたものとする狭義がある。広義で捉えれば、箸(何かを掴んで持ち上げるための、2本の棒の組合せとその使い方)でも串(把持する部分と,具を指すための先端、具を保持する中心部、など)でもミニマルなシステムであると言える。

次に、デザインとはあらゆるシステムの新しい構造や組織を創造する行為をデザインという。デザインと聞くと、意匠デザインなどのアートに近いものを思い浮かべることが多いのだが、デザインは広義では「設計」であるから、技術システムのデザインから、組織のデザイン、社会のデザイン、経営や政策のグランドデザインまで、色々な種類のデザインがある。

最期に、マネジメントとは、様々なシステムの事業・企画を管理すること(プロジェクトマネジメント、サプライチェーンマネジメントなど)である。
様々な事業体における組織の経営・管理まで、様々なシステムの管理・運用・経営を広くマネジメントという。これもまた多くの意味がある。デザインで言えば、デザインする作業自体を管理することと、デザインしたシステムをどのように管理・運用していくか、ということとに大別されるので、この違いを曖昧にして話していると混乱するので注意したい。

普段から良く聞く言葉だけど、よくよく考えて見ると色々な定義があり、その定義の広さも使い方によってさまざまであることがわかる。こういった横文字は勘違いされて一人歩きしがちなので、十分に定義に注意して使いたいものである。