デザイン思考の仕事術(棚橋氏)を読了したので、備忘録を兼ねて少しまとめておく。デザイン思考だけでなく、具体的な人間中心設計に基づくサービスデザインのやり方まで具体的に書いてあるので、サービスのデザインプロセスに関して広く学びたい人におすすめしたい。

デザイン思考とは、デザイナが仕事をする上で使っている手法をまとめて、様々な「デザイン」に類する作業において使えるよう体系化したものである。元々はアメリカのデザインコンサルティングファームのIDEOが提唱した手法論であり、「理解、観察、視覚化、評価と改良、実現」という5つのステップによって成り立っている。なお、この5つのステップについては過去の記事で少し紹介しているので詳細は割愛する(スタンフォード大学で活用されている最新の発想法)。

「デザイン思考の仕事術」では、IDEOの方法論など具体例を交えながら、以下の章構成でデザイン思考を説明しており、読みやすい構成になっている。

デザイン思考とは
→ IDEOの例などをベースに基本的なプロセスなどを紹介
デザイン思考の「情報収集術」
→ 発想法や人間観察、得られた情報の分析方法などを紹介
デザイン思考の「企画発想術」
→ KJ法などの発想・分析法やペルソナ・シナリオ法などの具体的な手法を紹介
デザイン思考の「問題解決法」
→ プロトタイピングやユーザテストによる検証方法を紹介
デザイン思考の「職場作分術」
→ デザインをしていく上での心構えや、考え方、職場の雰囲気の重要性を説明

棚橋氏は元々は人間中心設計の出身の人なので、人間中心設計を聞いたことがある人にとって、この本は特になじむだろう。しかも、語り口がやわらかいし説明も丁寧なので、デザイン思考の入門書として気負いせずに気軽に読める一冊であると感じた。

ひらめきを計画的に生み出す デザイン思考の仕事術ひらめきを計画的に生み出す デザイン思考の仕事術