自分を全て正しく理解することは不可能に近いけど、それでも自分で自分を理解している範囲を広げることで、認識した自分の長所を意識的にのばしたり、逆に短所を克服したりと、成長に向けた具体的な行動をしやすくなる。では、どのようにして自己理解をすればよいのだろうか。そこで今回は3つの具体的な方法を紹介する。

1.1分自己紹介

自己紹介を短時間で上手くこなすには、自分が人にアピールすべきポイントを整理して話せる必要ある。例えば、友達だったらどう説明するか、上司だったら、合コンだったらといくつかのシーンを想定して、それぞれのシーンにマッチした自分の強みを効率的にアピールする自己紹介を考えることで、自分の特性を整理することができる。なお、副次的な効果としてエレベータピッチ(エレベータに乗っている間などの超短時間で必要な要件を伝え切ること)が上手くなるので、物事を効率よく説明できるようにもなる。

2.Reflection(投影)

街ゆく人、会社の同僚、友人など、色々な他人を観察して、その人の悪い点をできるだけ書き出してみよう。これは別に他人を批判することが目的ではない。実は、大量にいる人々の様々な立ち振る舞いなどから、自分が意識して積極的に「悪い点」として選び出した特徴には、あなた自身が認めたくない悪い特徴が投影されていると言われている。(投影-wikipedia)

逆に、他人の良い点を書き出すと、自分がどういう特徴を備えたいのかを一考する助けにすることもできるだろう。この作業は人間観察の勉強にもなるし、特に準備もなく思いついたときに実践できるので、電車に乗っているときなど少し暇になったときにやると良いだろう。

3.エゴグラム

エゴグラム(Egogram)とは、エリック・バーンの交流分析における自我状態をもとに、弟子であるジョン・M・デュセイが考案した性格診断法で、人の心を5つに分類し、その5つの自我状態が放出する心的エネルギーの高さをグラフにしたもののことである。

エゴグラムは決まった軸で自分の状態を知ることができるのが良い。というのも、エゴグラムを定期的に実施することで、自分の自我状態が時間経過とともにどう変化しているのかを知ることができる。良い方向に変化があれば、きっかけは何で、何を大事にすればよいか考察できるし、逆に悪い結果に傾倒したのであれば、何が原因でどうすべきかを考察する手助けになる。実施コストは上の二つに比べると高めだけれども、自分の変化を把握できることは自己理解にとって大きな助けになる。

 

以上、今回は自己理解をうながすための3つの方法をご紹介した。よくサービスデザインの業界において、ユーザ像を明確化して、そのユーザの潜在ニーズを満たすサービスを適切にデザインをすることが重要だとされている。同様に、自分というユーザ像を明確化して、その潜在ニーズを満たすように自分の生活をデザインをすることも、またとても重要なことである。