とても忙しいと,キャパシティを超えて仕事を持たなければならないことがあります.すると,チームメンバにも無理なお願いをしなければならないことも発生します.ときには,できないことをできる,と言わせてしまっているケースすらあります.

しかし,できないことを無理にできると言わせても結局できません.すると,巡り巡って自分が苦労することになります.それよりは,できる範囲のことをしっかりやってもらう方が計画が立てやすいですし,本人の仕事も捗ります.

逆に,できると言わせて,責任も含めて全部押し付けることも可能ではあります.とはいえ,自分が何かしら指示なり,お願いなりをできるということは,その人と少なからず関係があるということです.つまり,その人が潰れれば,確実に自分に影響が出ます.そして,巡り巡って関係者全員に波及して行くことになります.なので,押し付けて潰すよりは,きちんとできることを見極めるために,自分の稼働を割いた方が捗ります.

なので,自分がマネジメントの立場にいるにも関わらず,無理な仕事を与えて,あいつは使えない,チームの効率を落としているなどという人を見ると,大変残念な気持ちになります.ちなみに,逆もありえます.上司の稼働や能力を鑑みずに,無茶な要求をする部下もいます.上司の能力や稼働にあわせて,上手く立ち回れるのが,できる部下だといえます.

成長のためには負荷をかけて,ストレッチさせることは大事です.しかし,ストレッチさせすぎて切れてしまっては元も子もありません.正しく限界を把握して,良い負荷をかけられるのが理想でしょう.また,単にできないと言わせるのではなく,どこまでならできそうかを考察してもらったり,何が障壁だと思っているかも一緒に確認すると良いです.問われた側は物事を整理するきっかけになりますし,問う側は,限界の予測精度をあげることができます.

できないことはできないと言わせることは,その人のためになります.そして何より,自分がうまく仕事を進めるうえで有効です.多少面倒な稼働ではありますが,投資だと思ってぜひ活用すると良いと思います.