日々生活をしていて、万事なんでも上手く行く人なんていうのは、ほとんどいませんよね。そして、自分の理想の通りそのまんまに動ける人も世の中には存在しません。そのようなことは自明なはずなのに、いざミスをしたり、理想通りにならなかったりすると、自分を必要以上に責めてしまう人は多いように思います。これは大変危険です。ある程度の失敗をすることは当然なのに、あまりに自分を責めすぎるという行為は、自分を悪い状態に導くことになってしまいます。

自分を責めないというのは、省みないということではありません。失敗から学ぶことは大事なので、省みることをやめるべきではありません。しかし、失敗自体を責めることには何も意味がありません。省みることにおいて大事なことは、失敗から学び、その学びをもとに行動に移す、ということです。

何も行動に移さず、あれはダメだった、これはダメだった、次も失敗したら嫌だな、失敗のせいで今後もっと酷いことになるかもしれない、などと思い悩むことは自虐にしかなりません。こういった自虐が続くと、何かをすること自体が怖くなってしまい、何もできなくなります。さらに、どうしてもやらなければいけないときに、経験不足によって失敗してしまう確率を自ら高めてしまうことにもなります。

そうではなく、ダメだということが解ったから次は違う方法を試してみよう、とか、今回の失敗で起こりうるリスクはこれなので、そのリスクを低減するには、こういうことをした方が良いな、などと、失敗を分析して次のアクションに移すという、クセは大事だといえます。こういった失敗を省みるクセを付けることで、失敗を前向きに捉えられるようになります。そして、数多くの小さな失敗を積み重ねて学びを得られるようになるので、いざという時にも力を発揮しやすくなります。

当然、失敗することは必ずしも気分の良いものではないです。しかし、どんな単純作業で、その作業に習熟していたとしても、人間は3%はミスをすると言われています。つまり、人は必ず失敗する生き物なのです。なので、失敗をネタに自虐する必要はありません。そんなことに時間を使うよりも、失敗の原因を学び、次の行動に活かしていくことの方が、生産的で価値があります。