ロジカルシンキングが重要であるというのはよく言われることだけど、ロジカルシンキングとはなぜ重要なのか、そして何に使えるのかということを改めて簡単に整理して頭に入れておいてはいかがだろうか。

ロジカルシンキングとは

ロジカルシンキング(Logical Thinking)とは、日本語に訳すと「論理的思考」と言われる。つまり、物事を論理的に、抜け漏れなく、論理の飛躍無く考えるための方法論である。今回はロジカルシンキングするための基本的な2つの手法と、ロジカルシンキングの応用例について述べる。

Tequnique1:  MECE

一つめの手法はMECE(Mutual Exclusive and Complete Exhaust)である。日本語で言うと「抜け漏れ重なりなく」である。つまり、ある事象を考えるときに、抜け漏れなく分割することで、個別に事象を分析しても抜け漏れが無いようにするというものである。なお、分割するための切り口は複数あるので、何のために分割するのか目的をよく考えた上で、切り方を考えると良い。また、1/100万しかないもの(男・女・両性具有など)をわざわざ区切る必要はまず無い。なお、Business 3Cや4Pなどのフレームワークを覚えておけば、素早くMECEに分割して、必要な部分だけを分析することができるようになり、またどこを分析していて、どこを分析していないのか、またどこを対象としていないのかなどを、きちんと確認できる。

Tequnique2: So What? & Why so?

もう一つの手法として、So What?(だから何?)とWhy So?(なぜそうなる?)がある。So What? は手持ちの情報から導き出せる結論を見つけ出す考え方で、Why so?は、出した結論が本当にそう言えるか、納得できる理由付けをする考え方である。これらを上下に進めていくことによって、全体の構成はピラミッド構造になる。さらに、それぞれはMECEであることが求められる。縦方向は誰にどこまでSo What?するかというと、目的によって異なる。一方で横方向(Why so?)は、3〜4つにしておくと頭に入りやすい。なお、特に日本人はハイコンテキスト文化に浸かっているので、こういった確認をよりしっかりとして、各人の認識を明確にした方が良い。

ロジカルシンキングの応用

他にもロジカルシンキングのテクニックはあるのだが、今回は最も基本的なMECEとSo What? & Why so?を紹介した。ここからは、ロジカルシンキングが実際にはどのような場面で役立つのかを簡単に例を挙げてみたい。

ロジカルシンキングは自分の考えを整理することはもちろんのこと、説明資料やプレゼンテーションを作る際にも絶大な効果を発揮する。明らかな重複・漏れ・ずれがないように説明資料を構成することで、信頼感、納得感を与えられる。また、帰納しておくことで大上段の結論を最初に明確に述べることもできるようになる。説明資料やプレゼンテーションを考える際には、MECEや帰納と演繹を使ってロジック、つまり構造を構築する。基本的には、構成に7割、表現に3割の時間を使う感覚でいると良い。

また、相手との合意形成が求められる会議におけるプレゼンテーションや説明資料は、議事録を先に作って合意したい内容を確認し、何をどのように説明したいのかを帰納的に考えていくことで、合意形成に持って行きやすい形に作る、といった応用も可能である。

以上のように、ロジカルシンキングは、物事の分析だけでなく、コミュニケーションやプレゼンテーションにも非常に役に立つ。身につけることは容易ではないが、身につけるだけの価値はある。