最近では耳コピをして、MIDI譜面にする作業を全自動でやってくれるソフトウェアがある。15年ぐらい前は耳コピしたMIDI譜をHPで公開しておくと、それなりのアクセス数を稼げた時代もあったのだが、時代は変わったことを感じる。

ICON: 耳コピを全自動でやってくれるソフト「ほぼ全自動 耳コピ支太郎」が登場

当時はインターネット回線も細く、MP3や動画を使ってウェブサイト上で音楽を公開するということは気軽にできなかったので、それらの代わりに軽量なMIDI譜に起こして自作のウェブサイトで公開すると、それなりに人が集まってくれた。特に、ゲーム音楽などに人気があって、ウェブサイトのBBSではMIDI譜の評価をしたり、MIDI譜にして欲しい曲のリクエストなどがされたりと、それなりに賑わっていた。

つまり、インターネット上で音楽を気軽に手に入れられない、また音源からMIDI譜に起こす作業が結構な手間だったので、多くのユーザにとって、良質なMIDI譜が置いてあるだけでウェブサイトは魅力的に見えたのである。

しかし時代は移り変わって、インターネット回線が速くなり、また多くの音楽や動画の共有サイトが増えてくると、MIDI譜の需要は無くなっていった。つまり、重めの音源でも十分に素早くダウンロードできる環境と、大量のコンテンツがウェブに出回って簡単に手に入れられるようになったために、ユーザにとってはMIDIで音楽を聞く価値が下がっていった。

MIDI譜などに起こすということ自体がウェブコンテンツとして、かなりの価値を認められていたものが、もはや今は、DTM(Vocaloidなど)の界隈で、新しいコンテンツを作るための単なる1ステップにまで陳腐化(コモディティ化)した。音楽業界のコンテンツは、今後どこまで陳腐化していくのか見物である。作曲すらコモディティ化していったりするのだろうか。