プロジェクトマネジメントが重要であるということはよく言われているが、そもそも「プロジェクト」とはどういったもので、何をマネジメントすれば良いのだろうか。適切にプロジェクトマネジメントをデザインするために、少し定義を明確にしてみたい。
プロジェクトとは
プロジェクトとは、独自のプロダクト、サービス、所産を創造するために実施する有期性のある業務である。独自性とは、一つ一つが独立で反復的ではないものを指す。プロジェクトの有期性とは、明確な始まりと終わりがあることを示すものである。ゆえに、定常業務(継続的、反復的)はプロジェクトとは言わない。
プロジェクトマネジメントとは
プロジェクトマネジメントとは、上記プロジェクトにおけるステークホルダーの要求事項を満足させるために、知識、スキル、ツールと技法をプロジェクト活動へ適用することを指す。
プロジェクトマネジメントを適切に行うためには9つの知識エリア(1.統合、2.スコープ、3.タイム、4.コスト、5.品質、6.人的資源、7.コミュニケーション、8.リスク、9.調達)が必要であると言われており、それぞれに対して手法やツールが用意されている。加えて、プロジェクトマネジメントが必要なプロセスとしては5つあり、立ち上げ、計画、実行、監視・コントロール、集結プロセス群に分割されている。プロセスは、事前に定められた一連のプロダクト、所産、またはサービスを生み出すために実行される、総合に関連したアクションとアクティビティの組合せである。プロジェクトマネジャは、どのプロセスが適切であり、どの程度の厳密さで実施すべきかを決定する責任を負う。なので基本の5つのプロセスが定まってはいるものの、その中で何をするかは状況に応じてリアクティブに決めていく必要がある。
また、様々な手法や標準が定められているものの、手法を使いこなすのと同等にコミュニケーションが重要であると言われている。つまり、プロマネにおいてコミュニケーションのマネジメントにかなりのリソースを割くべきであるということである。いくら上手くプロジェクトが前に進むからといって、優秀な人だけでプロジェクトを進めることは良いマネジメントとはいえない。適切にプロジェクトメンバとコミュニケーションをして、プロジェクトの人的リソースを最大限に活かすことでレジリエントな運営を目指すことが重要である。なお、コミュニケーションのコストは人が増えるほどに指数関数的に増えていくので、大きなプロジェクトの場合は、適切な階層構造を持ったコミュニケーショングループを作ることが求められる。
プロジェクトマネジメントプロセスは標準化されているとはいえ、キーとなるのはコミュニケーションであるとは、なんとも興味深い話である。
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