日本は超少子高齢化が進んでいるというのに,子供や若者に対する制度の整備が遅れています.最近の政治は中高年の既得権益を守る方向の動きが多く,若者世代は凄い勢いで未来を搾取されています.声をあげない市場を無視する,選挙を市場原理で捉えるとすれば間違ってはいません.しかし政治は商いではありません.世代間が支え合う仕組み,つまり子供や若者を育てる仕組みがなければ,支えられる中高年世代もまた安心して生きることはできないのです.

逃げ切り世代の怠慢

このような状態に陥った要因として挙げられるのは,制度改革を怠ってきた逃げ切り世代の存在です.昔は高度経済成長によって若者も高齢者も愚直にやっていれば国が豊かになっていったので,分け合うパイが増えて幸せになれる時代でした.しかし,バブル崩壊後は長期低迷によって,今は限られたパイを世代間で奪い合うことになってしまいました.それにも関わらず,そういった変化に対して制度を変えられないままここまできてしまいました.

その結果,もたらされたのは,もはや若者が全員で選挙に行って全員が声を挙げても,高齢者にはかなわない民主主義の体制が確立されてしまいました.もはや若者世代だけではどうしようもありません.結局,いまの若者世代は年金も受け取れず,子育てのための予算も,場所も与えられていません.このままでは,国が傾いて手の打ちようがなくなるまで,若者世代は搾取され続けるでしょう.

若者の声をあげるデザイン

しかし,そのような中,若者が立ち上がろうとしています.

25歳以下で結成する新政党「0党」の野望

toyokeizai.net/articles/-/27622#gunosy

個人的によい取り組みだと思っています.自分達だけでは変えられないにしても,まずは自分の意見をしっかりとまとめて,主張していくことは大切な営みです.今の若者は,中高年世代に調教されすぎていて,主張が弱すぎるのです.もっと堂々と自分達のやりたいこと,要望を主張しても良いでしょう.

今の社会は,子供や若者が団結し意見を挙げたくなるような仕組みが,国策としてデザインされていません.東日本大震災の復興のように,やろうと思えば復興予算で何兆円も集まる国なのに,子供と若者のだめ出しをするばかりで,逃げ切り世代は投資を惜しんでいます.こういった情勢を変えるデザインも求められています.その一石として,0党やインターネッ党のような動きが増えてくれることを望むばかりです.

ボトムアップだけでなくトップダウンの動きも必要

とはいえ,今の日本では,このようなボトムアップで若者が主張していくだけでは,世の中を変えることはできません.トップダウンの動きもまた必要なのです.ボトムアップの動きに対して,上手くトップダウンの動きも呼応してくれると良いですね.

そのためにできることは,まずは選挙にいくところから始めましょう.