多くの人が起業しない理由は,まだこれなら命かけられると思うものに出会ってないからというのがある気がする.個人的には,能力とか時期なんてものよりも,アイデアとの出会いの方が大きいと思っている.私の場合,いいかも!と思ったアイデアがあっても,ビジネスモデルや実装を考えると萎えてしまったりする.寝食を忘れて打ち込めるものにまだ出会えていない.冷めたアイデアは実装しても,結局イマイチ面白くないって思ってしまう.後のリスクを考えると,それぐらい思えないとスタートが切れない,ともいえる.

そもそも,寝食を忘れて打ち込まないとダメだとか,情熱がないとダメだとかいわれるけど,もっとスマートに起業できても良いと思う.それこそ普通のサラリーマンになるぐらいの気軽さで.

日本は失敗しても死なない国だとかいわれてるけど,実際は一度失敗すると,なかなか普通のサラリーマンに戻ることはできない.これはサラリーマンが就職ではなく,就企業ともいえる状態になっているから.こういう仕組みも何とかした方が良いと思う.企業に入ると数年に一度異動して,全く畑違いのことをやらされながら,管理職になっていく.でもさ,そんな管理職がどんな意思決定を下せるのだろうか.右肩上がりで,増える人の管理さえできていればみんなが幸せになる時代は20年以上も前に終焉したのに,いまだのその組織構造のまま.

社会も同じで,もはや大企業にしがみつく時代は終わったのに,実際に企業から離れて生き残れるのは一部だけ.そんな社会を早く変えないと,転職したり,起業したりなんて難しすぎる.

結局,そもそもアイデアに出会わないという問題と,出会ったとしても始めにくい環境というダブルパンチなのは,あんまりだと思う.それでも起業する人がいるんだから,世の中凄い人が沢山いるなと感じる.