その道のプロでもない、自分でできないことを支援するツールを作るな、という人がいる。それは正しくない。それが真だとすれば、プロの料理人のための優れた包丁など生み出されはしない。

ツールを作る人はその道のプロである必要はない。むしろプロの声を聞いて、適切に設計と実装ができるプロであるべきなのである。

最初にツールはいりませんか?と聞いても、プロはそんなものはいらないと言うかもしれない。なので、聞くといっても言葉そのものより、実際の作業や思考にある無駄や無理を見つけることが大事である。そういう能力がある人こそツールを作ると良い。もちろん、料理人が包丁を研ぐように、プロ自身が自分でツールを作ったり改善することもある。

どちらにしても、相手に共感し、問題を発見し、解決策を設計し、実装して試す。それができれば、その道のプロにならなくても、役に立つものは実現できるのである。